加入度数とは
遠近両用メガネでの遠くと近くの度数の差を表す。「加入度数」または「Add」と略されて表記される。
遠近両用メガネの特性を理解する上で、”加入度数”という項目は非常に重要な役割を果たします。
遠近両用メガネは、上部に遠くを見る度数、下部に近くを見る度数が入ったレンズを使用する眼鏡のことです。
遠くと近くの度数の差を表す「加入度数」または「Add」と略されて表記されることがあります。
加入度数は、遠近両用メガネを作る上で非常に重要な要素です。
加入度数の影響は、遠くの視界、特にレンズの周辺部分の見え方にも及びます。
加入度数が強くなると、遠くの部分の見え方に影響が及び、特にレンズの周辺部分にぼやける部分が増えることがあり視界の揺れや、歪みが生じやすくなります。
遠近両用メガネの使用感や口コミで「ゆれ・ゆがみ」がひどいという意見をよく耳にしますが、その原因の一つが加入度数であることを理解することが重要です。
適度な加入度数の遠近両用メガネは有用ですが、加入度数が過度に高いメガネや、目の状態に不適合なメガネを使用すると、レンズの設計上、ゆれやゆがみを感じやすくなります。
遠近両用メガネを購入する際には、加入度数の選定に注意が必要です。
ただし、加入度数が少ないうちに使用し始めることで、遠近両用メガネに違和感なく慣れることができる場合もあります。
加入度は年齢とともに増加し、老視(調節力の衰え)が進むと大きくなる。
以下に加入度の例を記載します。
- 40歳~45歳の加入度の例
-
・比較的加入度は弱い
・ユレや歪みは小さめでで初めて遠近両用メガネを使う場合でも慣れやすい。
・視野は遠方部・中間部・近方部ともに広い。 - 45歳~55歳の加入度の例
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・加入度は中くらい
・ユレや歪みは中程度で初めて遠近両用メガネを使う場合に慣れるまで少し時間がかかる。
・視野はやや狭く、遠方部・中間部・近方部が狭くなる。 - 55歳~60歳の加入度の例
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・加入度は強い
・ユレや歪みは大きく、初めて遠近両用メガネを使う場合にには相当な練習が必要。
・視野は狭く、遠方部・中間部・近方部ともに狭い。
近視の方で老眼の自覚症状がある場合、遠近両用メガネの購入を検討しているなら、早めにメガネ店などで相談することをおすすめします。
遠近両用メガネを購入する場合は、遠近両用メガネのテストレンズにて使用感と見え方を体感することを強く推奨します。
遠近両用メガネの加入度数の見方
メガネ処方箋の「ADD.」の項目が加入度数です。
眼鏡の処方箇所には、目の視力を補正するための様々な情報が記載されています。
R (Right Eye) と L (Left Eye) はそれぞれ右目と左目の情報を示しています。
SPH. (Sphere) は球面レンズの度数を示し、近視や遠視の程度を表します。近視の度数はマイナスで示され、遠視の度数はプラスで示されます。度数の範囲によって近視は弱度、中等度、強度に分類されます。また、遠用と近用の度数も存在し、「distance」や「reading」の表記でそれぞれ示されます。
CYL. (Cylinder) は円柱レンズの度数で、乱視の程度を表します。乱視の度が強い場合はマイナス、乱視の度が弱い場合はプラスで示されます。乱視の矯正が必要ない場合、この項目は記載されません。
AXIS は乱視の軸を示す角度です。0度から180度までの値が記載され、乱視の矯正が必要な場合にはCYLとセットで表記されます。
ADD. は加入度数と呼ばれ、遠くの度数と近くの度数の差を表します。
PRISM. はプリズムの度数で、眼位異常の程度、すなわち斜位を示します。しかし、すべての処方箇所には記載されないこともあります。
BASE. はプリズム度数の方向性を示し、0度から360度までの値が記載されます。
最後に、P.D. (Pupil Distance) は瞳孔間距離を示します。これは左右の瞳孔の中心間の距離です。
加入度数と累進帯の関係
老眼の度数である加入度数と、その度数が段々と変化している長さである累進帯にはいくつか重要な点があります。
加入度数とは、特に老眼鏡における遠方部の度数と近方部の度数の差を指します。
累進帯はレンズの遠用部から近用部までの度数が段階的に変化している領域のことを示します。
累進帯が長いと、視界が広がり歪みも少なくなり、眼鏡の装用に慣れやすくなります。
これは、遠方と近方の度数が滑らかに変化しているため、目の焦点を適切に調整しやすいためです。
ただし、累進帯が長い場合、手元を見る際に視線をかなり下まで持っていくのが大変になります。
累進帯の下部に近い部分を使うため、下を向いて見る必要が出てきます。
この点は、特に近くの細かい作業をする場合に影響を及ぼす可能性があります。
一方、累進帯が短いレンズは、視線の移動が少なくて済みます。
近くの物を見るときに視線を下げる必要がないため、手元を見る作業がスムーズに行えるでしょう。
しかし、このようなレンズでは横の歪みが強くなるため、注意が必要です。
特に横に広い範囲を見る必要がある場合には、歪みが視界を妨げることがあります。
- 累進帯長が長い
-
・ユレや歪みは小さい
・視野は広い
・近くを見る時に視線を大きく動かす必要がある。 - 累進帯長が短い
-
・ユレや歪みは大きい
・視野は狭い
・近くを見る時の視線移動は少ない。
加入度数が強くなると、歪みも強くなる傾向があります。
そのため、加入度数を強くしても、必ずしも良く見えるとは限りません。
そのため、遠方度数と近方度数のバランスを考慮して適切な加入度数の選択することが必要不可欠です。
累進帯の長さや加入度数の強さを検討し、一人ひとりの視力状態やライフスタイルに合わせて最適な遠近両用メガネを選ぶことが重要です。
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遠近両用メガネは遠くから手元までがはっきりと見えるメガネです。
中近両用メガネは4m程先から手元までをはっきりと見えるメガネです。
近々両用メガネは1m程先から手元までがはっきりと見えるメガネです。
老眼鏡は手元の視野が広く、長時間手元を見る場合に最適です。
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Land&ruto店長 北上寿一
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