
Land&rutoのプリズム眼鏡

北上 寿一
Land&ruto店長
Land&rutoでは、一般的な視力測定だけでなく眼位や輻輳・開散力などを詳細に測定し、お一人おひとりに最適なプリズム度数とレンズタイプをご提案します。


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Land&rutoの
プリズム眼鏡
プリズム眼鏡の値段について
Land&rutoでは、フレーム価格+レンズ価格+4,400円(税込)で組み込みタイプのプリズムレンズにすることができます。
フレネル膜タイプはお取り寄せでのご対応になります。
プリズム眼鏡とは

プリズム眼鏡とは、視線のズレによる斜視や斜位、眼精疲労など、両眼視に問題がある場合に使用する視力矯正用のメガネです。
わかりやすく説明すると、片目で見ると一つに見えるものが両目で見ると複数に見えてしまうような場合に、プリズム眼鏡を使うことで両目でも一つに見えるように矯正します。
「プリズム」とは光の進路を屈折させる作用のことで、実は一般的なメガネレンズも光を屈折させるという意味でプリズムの集合体です。
単焦点レンズには光学中心という位置があり、この中心から視線がずれると物が実際の位置よりもずれて見えます。
これが「プリズム作用」です。プリズム眼鏡は、このプリズム作用を意図的に利用して視覚の問題を矯正しています。
プリズムレンズは三角柱型の透明なレンズで、光は厚みが厚い側に向かって曲がります。
光がプリズムレンズを通過すると、例えば1メートル先で光が1センチずれる場合を「1プリズムディオプター(1△)」、2センチずれる場合を「2プリズムディオプター(2△)」と表します。
このプリズムディオプターを調整して視覚の問題を矯正します。
プリズム眼鏡を作成する際には、光をどの方向にどのくらい曲げるかを考える必要があります。
その方向を「基底(BASE)」と呼び、斜視や斜位の種類に応じて基底の方向が決まります。例えば、
- 外斜視・外斜位では「基底内方(ベースイン:BASE IN/B.I.)」
- 内斜視・内斜位では「基底外方(ベースアウト:BASE OUT/B.O.)」
- 上斜視・上斜位では「基底下方(ベースダウン:BASE DOWN/B.D.)」
- 下斜視・下斜位では「基底上方(ベースアップ:BASE UP/B.U.)」
というように決められます。斜め方向の複視がある場合は、角度を用いてさらに細かく調整を行います。
プリズムの量や方向は個人ごとに異なり、斜視の程度、外眼筋の筋力、装用時の違和感などによって調整されます。
このようにして、プリズム眼鏡は一人ひとりの視覚の問題に合わせて作られる専用のメガネです。
斜視と斜位の主な違い

「斜視」と「斜位」は、どちらも目の向きに関係する用語ですが、その意味や症状には重要な違いがあります。
まず「斜視」とは、両目で一つの物を立体的に見ることができない状態を指します。
斜視の場合、一方の目は対象物にしっかり集中していますが、もう片方の目は違う方向を向いてしまいます。
このズレは常に存在し、誰の目にもはっきりと見て取れます。
そのため、立体的に物を捉えることが難しくなり、視覚の混乱や焦点を合わせにくくなるといった問題が生じる可能性があります。
一方、「斜位」とは、潜在的な目のズレがあるものの、普段は両目で立体的に物を見ることができる状態を指します。
斜位の場合、視線のズレは耳側・鼻側・上側・下側など、さまざまな方向に起こり得ますが、通常は両眼の調節機能によって修正されています。
しかし、目の筋肉を使ってズレを修正し続けるため、目が疲れやすく、時には物が二重に見えることがあります。
このズレは常に起きているわけではなく、特定の状況で一時的に現れます。
つまり、「斜視」は常に目の向きがずれている状態で、立体視に悪影響を及ぼす可能性がありますが、「斜位」は一時的または特定状況下でのみ目のズレが現れ、通常は修正可能な状態を指します。
斜視について

斜視とは、左右の眼の視線がずれている状態を指します。
本来、両眼の視線は同じ点に集中しますが、斜視の場合は片方の眼が目標を見ているのに対し、もう一方の眼の視線が内側や外側、あるいは上下にずれてしまいます。
このため、両眼で同時に物を見ることが難しくなり、物が二重に見える「複視」という症状が現れます。
斜視が続くと脳がずれている眼からの映像を無視するようになるため、立体的な視覚(立体視)が損なわれ、視力の低下や弱視のリスクも高まります。
斜視には、以下のような種類があります。
- 内斜視:片方の眼が内側に向いてしまう状態
- 外斜視:片方の眼が外側に向いてしまう状態
- 上斜視・下斜視:片方の眼が上向きまたは下向きになる状態
斜視の主な原因としては、眼を動かす筋肉(眼筋)のバランス異常、神経の異常、眼筋の付着位置の問題などが挙げられます。
強度の遠視や近視、片眼の視力低下を放置すること、眼の外傷などが眼筋バランスの乱れを引き起こすこともあります。
斜視は外見的にもわかりやすい症状であるため、早めに専門家による診断を受けることが重要です。
正しい診断と適切な治療によって、斜視の影響を最小限に抑え、視覚機能を良好な状態に保つことが可能です。
斜位(隠れ斜視)について

斜位(隠れ斜視)とは、普段は視線のずれがなく正常に両眼で物を見ているものの、目の筋肉に力を入れて視線を調整している状態のことをいいます。
この状態では通常は視線のずれは目立ちませんが、片目を隠すと、隠された目が自然に楽な位置に移動し、視線のずれが現れます。
例えば、外斜位の場合は外側へ、内斜位の場合は内側へ視線が動きます。
斜位の症状として代表的なものは、眼精疲労(目の疲れ)です。
特に斜位が強い場合、目の疲れや物が二重に見える症状(複視)が起こりやすくなります。
さらに斜位が大きいと、目の疲労だけでなく肩こりや頭痛などを引き起こすこともあります。特に内斜位の人は目の疲れが出やすい傾向があります。
斜位は以下のような種類に分けられます。
- 外斜位:自然な状態で視線が外側に向いており、内側に視線を寄せる動きで疲れやすくなります。
- 内斜位:視線が内側に向いており、外側を見る動きで疲れやすくなります。
- 上斜位・下斜位:視線が上下方向にずれており、上下の目の筋力が弱いために物が二重に見えやすくなります。
斜位が生じる主な原因として、もともとの眼位のずれがあります。
実際には、ほとんどの人に軽い斜位が存在しています。
遠視の度数が弱すぎたり、近視の度数が強すぎたりといった「不適切なメガネ矯正」が原因で、斜位が強く現れる場合もあります。
両眼視機能について

「両眼視機能」とは、左右に約6〜7センチ離れている2つの目を協調させて物を見る際に重要な役割を果たす機能です。
この機能のおかげで、私たちは物の遠近感や立体感を感じることができます。
遠近感や立体感を感じる現象は「視差」と呼ばれます。
視差とは、左右の目で見える景色のわずかなズレのことで、脳がこのズレを統合することで、私たちは立体的な視覚を得ているのです。
両眼視機能は、生まれた直後はまだ十分に発達していません。
生後約3ヶ月頃から徐々に発達し始め、6歳頃には成熟するとされています。
この間に子どもは空間の認識や物体の形、大きさ、位置を理解する能力を身につけていきます。
この発達段階で重要になるのが、適切な視覚経験です。
例えば、さまざまな大きさや形状の物体を子どもに見せることで、両眼視機能はより効果的に発達します。
このように両眼視機能は、私たちが立体的な世界を認識するために不可欠なものであり、人間の視覚体験を支える基本的なメカニズムの一つなのです。
プリズムレンズによる補正

プリズムメガネは、両眼視機能に問題がある方、特に複視(二重に見える症状)の軽減を目的とした眼鏡です。
健康な両眼視機能を持つ人は、左右の目で見た異なる二つの像を自然に一つにまとめること(融像)ができますが、複視がある人はこの融像が難しくなります。
プリズムレンズを使用すると、像の位置を調整して重ね合わせることで、この問題を軽減できる場合があります。
例えば外斜位(目が外側に向く症状)の場合、遠くを見るために目を内側に寄せる筋肉の働きが必要です。
さらに読書など近くの物を見る際には、目をより内側に寄せる必要があるため、目の筋肉にさらに負担がかかります。
プリズムメガネでこの目の動きをサポートすると、目の筋肉の負担が減り、視線を合わせやすくなります。
正面以外の8方向を見る際、像のずれ方が一定なら比較的対応しやすいのですが、見る方向によってずれ方が異なる場合は問題が複雑になります。
その場合は、フレネルプリズムやフランクリンタイプのレンズのように、一部分にプリズムを使用する方法が有効です。
これらは完全な解決には至らなくても、状況を改善できる可能性があります。
一方で、片目の像が回転して見える場合や、眼疾患により像が歪んで見える場合は、プリズムレンズで解消するのは困難です。
さらにプリズムレンズで像の位置が調整できても、左右の目のバランスが悪ければ融像が難しくなり、逆方向に像がずれることもあります。
複視の原因はさまざまであり、プリズムメガネがすべての症状を解決できるわけではありません。
そのため、一人ひとりの症状や状況をよく考慮して、プリズムレンズを使用するかどうかを慎重に判断することが重要です。
プリズムの測定について

適切な視力測定を行うには、プリズムをメガネに入れる必要があるかどうかを正確に判断することが重要です。
プリズムを使用する際には、その量と方向を正確に決定することが不可欠です。
ここでは、適切なプリズム量と方向を決めるために必要な測定項目について説明します。
眼位測定
日常生活の状態で遠方と近方それぞれでカバーテストを行い、自覚的および他覚的に斜視や斜位の有無を調べ、両眼視にどのような影響があるかを評価します。
カバー・アンカバーテスト
特別な機器がなくても斜位や斜視の種類や大まかな量を確認できます。プリズムバーがあれば具体的な数値を知ることも可能です。
眼球運動測定
追従性眼球運動を観察し、外眼筋およびその神経の機能を確認します。
輻輳近点測定
融像性輻輳の実際の量を大まかに確認します。より正確な遠方・近方における融像性輻輳の測定にはロータリープリズムを使用します。この測定結果をもとに、近方作業時の眼精疲労が予測できます。
瞳孔間距離の測定
モノキュラーPDを目視またはピューピロメーターで測定し、フォロプターや仮枠を使用する際の光学中心距離を正確に合わせます。これにより、不適切なプリズムの発生や誤った補正を防ぎます。
遠方近方斜位測定
遠方での斜位の値が大きい場合には、近方での測定も行います。遠方および近方における水平・上下の斜位は、「プリズム分離法」「ポラテスト法」「マドックス法」を状況に応じて使い分け、ロータリープリズムを用いて正確に測定します。
遠方近方上下開散力測定
プリズムを用いて上下方向の開散力を測定します。特に累進多焦点レンズ使用時には、下方視線で上下複視が発生しやすいため、度数差がない場合でも測定することが重要です。
片眼・両眼調節ラグ測定
調節刺激に対する目の調節反応を測定します。老視の場合、不足している調節分を加入度として処方します。また、この測定は調節不全や調節過剰、輻輳不全や輻輳過剰を判断する際の参考にもなります。
ワース4灯測定
遠方斜位の数値が大きい場合、融像・複視・抑制の状態を確認します。抑制をより詳細に評価するため、赤レンズ測定も併せて行います。
赤レンズ測定
複視が疑われる場合に融像・複視・抑制を測定します。特に上下方向のプリズム処方の判断に有効です。
フォロプターを使用しての測定が難しい場合は、プリズムバーを用いて外斜位や内斜位の測定を行い、仮枠で輻輳開散量を確認します。
※注意点:プリズムの量や方向は、単一の測定法(プリズム分離法やポラテスト法など)のみで決定するのではなく、複数の測定結果を総合的に判断することが必要です。
プリズム眼鏡の種類

プリズム眼鏡は、斜視などの視覚的な問題を改善するための特殊な眼鏡で、「組み込みタイプ」と「フレネル膜タイプ」の2種類があります。
それぞれ特徴が異なり、使用状況に応じて選択します。
組み込みタイプ
レンズ自体にプリズムが直接組み込まれているタイプです。
主に最大5Δ(両眼で合計10Δ程度)までのプリズム度数に対応し、小さな角度の斜位に適しています。
外見からプリズムが入っていることがほぼ分からないのが大きなメリットですが、度数が強くなるとレンズの基底部分が厚くなり、横から見ると目立つことがあります。
大きな斜位には対応が難しく、度数変更時には新しいレンズが必要になるほか、プリズムを入れすぎるとレンズが重くなるというデメリットもあります。
フレネル膜タイプ
1〜40Δと幅広い度数のプリズムに対応できるタイプです。
レンズに水で貼り付けるフィルム状の膜で、簡単に取り付け・交換ができます。
プリズム度数が高くても厚みが均一で薄いため、レンズが重くならないのが特長です。
度数変更があっても貼り替えるだけで対応でき、様々な貼り方が可能です。
ただし、フレネル膜を通して見ると視力が低下することがあり、見た目にも貼り付けていることが分かります。
時間が経つにつれて変色や劣化が生じることもあります。
使用感が悪い場合、手術を検討するケースもあります。
なお、自分で貼り替える場合は、正しい方法を守ることが重要です。
適切なタイプの選び方
一般的には、小さな斜位には組み込みタイプを、大きな斜位にはフレネル膜タイプを選択します。
症状や状況に応じて両方を併用することも可能です。
それぞれのタイプの特長を理解し、自分に合ったプリズム眼鏡を正しく使用することで、視覚の問題を効果的に改善し、快適な日常生活を送ることができます。
プリズム眼鏡のデメリット

プリズム眼鏡は視力に関する問題を改善できる優れたツールですが、レンズが厚くて重いことや色収差、空間が歪んで見える感覚、視線がずれて感じられることなど、いくつかのデメリットもあります。
装用に慣れるまで時間がかかったり、他の視力矯正アイテムとの併用が難しかったりする場合もあります。
これらの影響で、装用感が悪くなったり、視覚的な違和感や遠近感・立体感のズレを感じたりすることもあります。
プリズム眼鏡を選ぶ際には、こうしたデメリットを十分に理解したうえで、ご自身のニーズやライフスタイルに最も適したものを選ぶことが重要です。
以下の記事では、プリズム眼鏡のデメリットについて詳しく紹介しています。

プリズム眼鏡のコラム

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Land&ruto店長 北上寿一
石川県金沢市の完全予約制の眼鏡店 Land&rutoでメガネを販売しています。
メガネ専門店、大手チェーン店、コンタクトレンズ販売店を経て2005年開業。時代の流れに合わせて変化するメガネのニーズに対応するため日々努力しています。眼鏡作製技能検定 1級眼鏡作製技能士
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運営会社 | 有限会社北上 |
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