偏光レンズメーカーを比較 各メーカーの違いと選び方

偏光レンズメーカーの違いと特徴

Kodak LENS コダック

コダックの偏光レンズは、業界内での評価が非常に高い一方で、その存在は一般のユーザーにはあまり知られていません。その理由として、コダックが主に業界関係者や専門家向けのパンフレットやHPを主体としているため、大衆の目に触れる機会が少ないからです。中でも、コダックの「PolaMAX Pro」は、偏光レンズ市場においてトップクラスの製品として知られています。このレンズは、コダックの最先端の技術やノウハウが凝縮されており、その品質と性能は高く評価されています。PolaMAX Proの主な特徴はネオコントラスト機能、UV420カット、視界の明るさです。ネオコントラスト機能: この機能により、視界が大幅に向上します。景色や物体のコントラストがはっきりと浮き出るため、細かなディテールまで鮮明に捉えることができます。UV420カット: 有害な紫外線をカットすることで、目の健康を守りつつ、クリアな視界を提供します。視界の明るさ: PolaMAX Proは、視界を明るくする技術が採用されているため、暗い場所でもはっきりとした視界が得られます。これらの特徴から、PolaMAX Proはスポーツやアウトドア活動に従事する人々に特に推奨されます。

HOYA(ホヤ)

HOYAは日本のメガネ用レンズのトップメーカーとして知られています。その独自の技術として、「コーティングで偏光」という方法があります。これは、レンズ表面に偏光膜をコーティングすることによって、偏光機能を持たせる設計です。HOYA(ホヤ)ポラテックは、従来のレンズ表面にフィルムを貼る方法とは一線を画すコーティング方式を採用しています。この方式は、フィルムをサンドイッチする構造とは異なり、フィルターが剥離するリスクを大幅に軽減します。その結果、レンズの厚みを気にすることなく、多種多様なフレームに偏光レンズを取り付けることができます。耐久性が高い点も大きな特徴として挙げられます。特に強度近視の方がレンズを選ぶ際に、厚みが出にくいというのは非常に魅力的です。また、接着剤を使用していないため、その剥離の心配もありません。これにより、ナイロールやツーポイントなど、さまざまな形状のフレームでの作製が可能となっています。しかしながら、完璧な製品ではないため、いくつかの注意点も挙げられます。レンズ表面のコーティングが偏光機能を持っているため、傷が入るとその機能が低下する可能性があります。さらに、薄いレンズカラーの選択肢が少ない点や、コーティングに薬品などが付着した場合の変質リスクも留意が必要です。また、度なしのレンズ価格に関しては、やや割高な印象があると感じるかもしれません。

OAKLEY(オークリー)

オークリー(OAKLEY)は、最先端の「HDPolarizedテクノロジー」を採用した単層レンズの設計を持つことで知られています。この技術は、接着剤やフィルムを一切必要とせず、レンズの成型と同時に偏光膜も成型する革新的な方法です。従来の偏光レンズでは多くの場合、接着剤が必要とされていましたが、オークリーのこの技術により、接着剤を使わずに高い透明度と歪みの少なさを実現することができます。また、オークリーのレンズはミラーの種類が豊富で、さらにそのレンズ素材は非常に丈夫で割れにくいことが特長です。その理由として、Plutonite®という独自の特許素材を使用していることが挙げられます。この素材は、強度と耐久性を持ち合わせており、長期間の使用にも適しています。さらに、オークリーは他社にはない特許技術を持つ偏光レンズ、PLIZM偏光レンズを提供しています。このレンズは、偏光効果とともにコントラストを向上させることで、視界をクリアに保つ助けとなります。ただし、このレンズはオークリーのフレーム専用であり、他のフレームには適合しません。一方で、オークリーの偏光レンズには薄いレンズカラーの選択肢が存在しないという点も留意すべきです。これは、一部の消費者には欠点と感じられるかもしれませんが、その他の多くの特長により、多くのファッションやスポーツ愛好者から支持を受けています。

TALEX(タレックス)

TALEX(タレックス)は日本の偏光レンズの業界をリードするブランドとして、多くのユーザーからの支持を得ています。その理由は、ユーザー心理を深く理解し、用途に合わせた濃いカラーから薄いカラーまでの幅広いカラーラインナップを提供しているからです。ルアー釣り愛好者の間では、特にその名前が知られています。タレックスのレンズは、中にフィルターをサンドイッチするという従来の設計を採用しており、その接着技術の高さから「透明度・歪み」の問題を克服した製品が生まれています。さらに、高い雑光カット率と可視光線透過率を実現し、その明るさは多くのユーザーから評価されています。しかし、度付きのレンズを選択する際には、サンドイッチ形状のため、レンズの厚みが出やすい点を注意が必要です。一つのレンズを作る過程において、40年以上の技術力を背景に、60%以上が手作業での製造となっており、そのクオリティは業界でもトップクラスと言われています。また、TALEXは「認定プロショップ」という独自の制度を採用しており、取扱店はタレックスから直接技術研修や接客指導を受けています。これにより、認定ショップは高い技術力と信頼性を持つと広く認知されています。最後に、TALEXのサングラスは通販禁止となっています。購入を希望するユーザーは、直接店舗へ足を運ぶ必要があります。公式オンラインショップや釣具屋でも購入することは可能ですが、その際は品質に十分注意して選ぶ必要があります。以上が、偏光レンズメーカーTALEX(タレックス)の特徴となります。高品質な製品と、ユーザーに寄り添ったサービスで、多くの人々からの信頼を獲得しています。

コンベックス

「コンベックス」は、一般的な知名度は低いものの、偏光レンズマニアの間では非常に高い評価を受けています。彼らの製品の最大の特徴は、その明るい偏光レンズです。この特徴が釣り業界最大手「SHIMANO」に認められ、一部の製品で採用されているという実績も持っています。特に、コンベックスの「シューターグリーン」は、その独特な色合いと性能に熱狂的なファンが存在します。使っている際の視界の暗さが気になる方々に特に推奨される製品となっています。コンベックスの主力商品として「PolaWING SPX」シリーズが挙げられます。このシリーズは、コンベックスが得意とする自社染色技術を駆使しており、明るい偏光レンズは驚異的な偏光度99%、そして可視光線透過率38%を誇っています。このシリーズには2種類の素材が用いられており、一つは「CR-39」を採用した「SPX150」、もう一つは度付きレンズとしても使用される「MR素材」を採用した「SPX160」となっています。特に「SPX160」は、元々度付き用として開発されたもので、その品質や性能が高いと評価されています。予算に余裕がある方には、このMR素材を使用した「SPX160」をおすすめします。まとめると、「コンベックス」は、偏光レンズの品質と技術において高い評価を受けているメーカーであり、特に偏光度の高さや明るさを求めるユーザーには最適な選択と言えるでしょう。

伊藤光学

伊藤光学は、業界の中でも大手として知られるメガネレンズメーカーです。その名声の背景には、高い品質のコーティング技術があります。この技術は偏光レンズの製造にも活用されており、光の反射や乱反射を抑え、クリアな視界を提供します。また、伊藤光学は「RARTS」という新しいブランドを立ち上げました。RARTSは、初めは釣り専用ブランドとして誕生しましたが、その高品質と多様性から、さまざまなシーンでの使用が期待されています。特筆すべきは、RARTSの偏光レンズが他のメーカーと比較して非常にリーズナブルな価格で提供されている点です。この手頃な価格にもかかわらず、使用されているMR素材は屈折率と加工性において優れており、その上での高品質なコーティング技術は、見る者の目を魅了します。伊藤光学は技術と品質を追求し続ける姿勢と、コスパの良さを併せ持つRARTSブランドで、偏光レンズ市場において独自の地位を築き上げています。

偏光レンズメーカーを選ぶ時に比較するポイント

レンズ素材で比較する

偏光レンズの比較ポイントの一つが使用されているレンズ素材です。主なプラスチックレンズの種類とそれぞれの特徴について詳しく解説します。

CR-39
CR-39は1940年頃にアメリカで開発されました。
CR-39はコストパフォーマンスに優れており、色収差も少ないのが特徴です。したがって、クリアな視界を低コストで求めるユーザーには適しています。一方で、CR-39の耐久性や加工性には課題があります。そのため、頻繁にレンズを交換することなく、長期間使いたい方や特殊な加工を求める方には不向きかもしれません。

MRシリーズ
MRシリーズは1987年に日本の三井化学で開発されました。
MRシリーズの大きな特徴は、その耐久性と加工性の良さです。また、薄いレンズが作成可能なため、デザイン性の高いフレームや高度な視力矯正を求める方にも適しています。しかし、その性能の高さが反映された価格設定となっており、比較的高価です。

その他のプラスチックレンズ
その他にも、NXT、ポリカーボネート、トリアセテート、アクリル等の様々なプラスチックレンズ素材が存在します。これらの素材は、特定のニーズや用途に合わせて選ぶことができます。例えば、ポリカーボネートは衝撃に強いため、スポーツやアクティブなシーンでの使用に適しています。

偏光フィルター素材で比較する

偏光レンズを選ぶ際には、使用されている偏光フィルターの素材やその特性を理解することが必要です。

偏光フィルター(偏光膜)の種類や染色方法によって、その扱いや特性が変わります。主な偏光フィルターとしては、ヨード系(ヨウ素系)フィルターと染料系フィルターが挙げられます。

ヨード系(ヨウ素系)フィルター
明るい:ヨード系のフィルターは、他の偏光フィルターに比べて明るく、明瞭な視界を提供します。
耐久性で劣る:継続的な使用や時間の経過によって劣化しやすい特性があります。
紫外線で劣化:紫外線による影響を受けやすく、劣化が進行することがあります。
水に弱い:水分による影響も受けやすく、湿気や雨などによって性能が低下することが考えられます。

染料系フィルター
耐久性:染料系のフィルターは、ヨード系に比べて耐久性に優れています。
熱、水に強い:高温や水分に対しての耐性も高く、さまざまな環境下でも安定した性能を維持します。
明るさで劣る:ヨード系に比べるとやや暗くなり、視界の明瞭さに劣ることがあります。

レンズ製法で比較する

偏光レンズを選ぶ際、レンズの製法は、その性能や価格に大きく影響する要因となります。

ワンブロック成型
ワンブロック成型では、偏光フィルムとレンズ素材が融着されています。つまり、一体化された単一のブロックとして製造されるため、その強度や耐久性に優れるとされます。しかし、高度な技術が必要とされるため、価格が高くなることがある。

貼り合わせ成型
偏光フィルムとレンズ素材が接着剤を使用して貼り合わせられる方法です。ワンブロック成型に比べて製造コストが低く抑えられることが多いですが、接着部分の劣化や剥がれるリスクが考えられます。

フィルム貼り
フィルム貼りは、既製のレンズの表面に偏光フィルムを貼り付ける方法です。製造コストをさらに低く抑えることが可能ですが、フィルムの剥がれや傷が生じやすいというデメリットがある。

偏光レンズメーカーを比較 各メーカーの違いと選び方・まとめ

偏光レンズは各メーカーに特徴があり、自分の予算や使用目的、求める品質に合わせて、あなたに合った偏光レンズを選んでください。あなたに合った偏光レンズメーカーを見つけることができることを心から願っております。

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Land&ruto店長 北上寿一

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